結婚式でピアノを弾くためにメンタルを鍛えた話

こんにちは!ぴあーのパパです。私事ですが、2020年に結婚しました!3年ほどお付き合いを経て、春に入籍、そして秋に挙式でした。

コロナ禍で延期や中止も考えましたが、最終的には規模は半分になりましたが開催することができました。

会社の関係者も呼べず、友人も半分以下になってしまって残念でしたが、こんな時期なので無事に式を挙げられただけでも感謝です。

目次

まさかのリクエスト

コロナが猛威を振るう中、なんとか式を挙げようと一寸先も見えない状態でし。

準備は式場の方も一緒に悩んで下さいましたが、開催できるのかすら決まらない中で悩ましい日々を送っていました。

色んな状況を見据えて数パターンの準備が必要で、式次第もなかなか内容も決まりませんでした。

そんなある日、妻がピアノ弾けば?と呟きました。

なぜその案が浮かんだのかは分かりませんが、だんだん確信的な表情に変化していったのを覚えています。

20年ぶりに再開したピアノは、その時点でレッスンに通い出してからまだ9ヶ月くらいです。

やっと練習のペースも掴めてきて、楽しくなってきたところに、突然の演奏依頼です。

人前で演奏⁉︎しかも結婚式で⁉︎これはヤベーぞと、色々想像してしまってパニック一歩手前です。

もちろん、紳士なんで、ふーん?くらいの感じで生返事しました。

取り繕った表情とは裏腹に内心は残りの日数を数えて、何を弾いたら良いのか、本番ちゃんと弾けるかしら、人前で弾くのなんて25年ぶりか?

何てことが頭の中を駆け回って、えらい大変なことになってたことになっていました。

とは言え、一生に一回の結婚式だし、妻からのリクエストだし、何かワクワクして曲のリクエストやら余興の順番やらを決め出すしで、腹をくくるしかない状況に追い込まれました。

何だかんだで弾きたい気持ちもあったのかも知れません。

今ではなりを潜めましたが、小学生の頃は目立ちたがりだったんで、久々に血が(?)疼いたのかも知れません。

困難を極めた準備

結婚式でピアノを弾くと決めたものの、指折り数えて練習期間は2ヶ月。

しかも、この時点では人数を減らさず開催予定だったので、結婚式の準備も大変な中で、新曲にチャレンジするのはあまりに無謀に思えました。

妻は宝塚歌劇にどっぷりハマっているので、リクエストもやっぱり演劇で使われている曲だったのですが、楽譜が見つからなかったりと、大変なスタートでした。

もちろん、出席している僕の友達は宝塚のことが分からないので、じゃもう1曲弾きなよ、みたいな軽いノリで2曲も弾くことになりました。

2ヶ月しかないのに、2曲も⁉︎で、ますます心臓バクバクです。

ピアノの先生にも相談して、一度仮で選曲して練習に取り掛かかってみるも、これはアカン!と思って泣き言を言うレベルです。

なかなか選曲出来ず、無謀に時間だけが過ぎていく日々。そんなこんなで曲が決まった頃には、あと6週間しか無い!って事態になりました。

この頃は本当にプレッシャーに押し潰されそうで、譜読みしようと思っても、焦点が合わせられなかったり、指が震えたり、呼吸の仕方が分からなくなったり。

毎日、ピアノの前で悶絶してました。この頃が一番、辛かったです。

一つ逃げたのは、遊びで弾いたことのあるポップスを組み込んだことです。

とは言え、半分覚えているかどうか、くらいの曲だったことと、先生に見てもらったら結構リズム間違いがあったりで、結局のところ新曲をやるのと変わらないくらい苦労はしました。

でも、一度譜読みしたことがあるという実績がメンタル面の砦になっていたので、あの決定が無ければ心が崩壊してたと思います。

舞台慣れの練習

前述のように、人前で弾くのはだいたい25年ぶりなので、練習中にも当日のことを妄想するだけで、心臓が締め付けられるようなプレッシャーを感じてました。

試しに、妻に聴いてもらうだけで緊張MAXだし、どこ弾いてるか分からなくなるしで、1ヶ月前の段階で大失態の予感しかなかったです。

これじゃあかん!と思って、人に聞いてもらって仮想舞台をやることにしました。

選んだのはストリートピアノ。

神戸に住んでいるので、街中にかなりの数のストリートピアノがあることは知っていました。

でも、人前に立つだけで緊張で動けなくなる人間が、ストリートピアノなんて、、、

でも、ここでやらなきゃ、本番は目も当てられないことになりそう。

と言うことで、ストリートピアノがある場所を調べました。

初めてのストピ

たくさんあるなかで、できるだけ人通りが少なそうな所を探して、人の少なそうな時間帯に行くことにしました。

コロナ禍だったので、本当に出歩いている人も少なく、どのストリートピアノも閑散としていました。

それでも、着いてすぐに弾く決心はつかず、目の前を何度も通り過ぎて、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

いろんな角度からピアノを眺めるだけの人でした。

でも、いつまでもピアノを眺めているだけでは怪しすぎるので、ついに決心して、ピアノに近寄って行ったらそんな時に限って通行人が。

こっちはピアノに触る前から心臓バクバクなので、通行人と目が合うや、変な会釈なんかしてました。

やっとの思いで椅子に座ると、チョロと1フレーズ弾いてみるも、また通行人。

さっきまであんなに閑散としていたのに、タイミングの読みが悪すぎると嘆いていました。(数人通っただけですが。)

人が通ったりすると目線も上げられないし、心臓ははち切れそうだし、手指は震えに震えました。

初めてのストリートピアノのチャレンジは、これは人前で演奏なんて無理としか思えず、散々な結果でした。

この時点で、結婚式の3週間前。結婚式でピアノを弾くのはやっぱり諦めるか、と悩みに悩みました。

でも、妻が楽しみにしてくれてるし、式場の人もなんかワクワクしてるし、ピアノの先生も気合い入ってるしで、後には弾けない状況に追い込まれていました。

ストピに通う

意を決して、ストリートピアノ通いをして、メンタルを鍛えることに。

幸い神戸には大丸の前や、神戸空港、三井住友の裏に、地下鉄の駅にも何箇所かと、たくさんのストリートピアノがあります。

一回弾いたら、その場をそそくさと退散して他のストリートピアノを巡ることができました。

もちろん、ピアノの場所を確認してからも弾くまでにはピアノの前を行ったり来たりを繰り返して、心を奮い立たせる必要がありましたが。。

結婚式の1週間前の休日には、一日で4か所ほど巡って、天女の羽衣かと思うほどペラッペラな、ほんの僅かな自信を身に纏うことができました。

ストリートピアノの最終決戦は、三井住友の裏のスタインウェイと決めました。他のピアノとは違って、ここはコロナ禍でも人通りがかなりあるところです。

ここは演奏して良い時間が、夜の20:00までなので、人が少なくなりそうな19:40に到着しました。

10分くらい遠巻きにピアノを眺めて、さぁ、そろそろ意を決して行くかと思っていたら、なんと同じタイミングで先客が現れました。

この人がなかなか上手で、次の演奏者としては心が折られました。しかも、なかなか終わらない。

こちらはものの数分触りたいだけなんですけど、と念を飛ばしてみるも願い届かず、終了時間が近くなると、警備員がやってきてしまいました。

残念ながら、この日のチャレンジは失敗。やる気を根こそぎ持って行かれてしまいました。

でも、最終決戦をこのスタインウェイと決めたので、対決しないことには、気が収まりません。

仕方ないので、スタインウェイとの対決は平日の仕事帰りに持ち越すことに。

最終決戦

この日は、満を持して19:00に到着しました。

が、想定外にたくさんの人が。これまで休日にしか見たことがなかったのですが、平日はこんなにも人がいるのかー、と早くも意気消沈気味。

30分ほどベンチで誰かを待つふりをしながら、心が穏やかになるのを待ちました。

そして、ついに意を決して、スタインウェイのもとに。震える手で蓋を開けました。

そして、一音弾いてみて、今日は決戦だと自分に言い聞かせて、週末の結婚式で弾く曲を弾きはじめました。

少し遠くを歩いている人が、振り向いような気がしますが、こちらは怖くて目線を上げられません。

ドキドキでバクバクの演奏はたぶん聴くに耐えないものだったと思います。

でも、弾き終えると近くにいた年配の女性が、拍手をしてくれました。

その瞬間、私の拙いこのチャレンジを見届けてくれた人が居たんだという安堵感から、涙が出そうになりました。

これにて、一度は延期になった最終決戦は、いい幕引きとなりました。

あとは、数日後に控える結婚式の本番だけ。

結婚式当日

式当日は朝一からピアノの調律をしてくださるとのことでした。

小学生のころ、調律を見るのが好きだったので、式当日も調律する様子もゆっくり見たかったのですが、そんな余裕は全くありませんでした。

扉の隙間からチラっと見えた、朝日に輝くグランドピアノの調律をされている姿がかっこ良かったです。

さて、こちらは式場につくや否や、バタバタ準備が始まりました。

花嫁の着替えタイムに少しだけリハーサルする時間を作ってもらえたので、本番のピアノに挨拶して、弾いてみました。

会場ではお花や食器の準備でたくさんの人が忙しそうに動き回っていました。

とはいえ、こちらはストリートピアノで鍛えた薄っぺらい自信がついているので、初めてのストリートピアノよりは緊張せず弾くことができました。

これなら、本番もなんとか行けるかなと思ったところで、、また他の準備で予備されました。

これにてリハーサル終了。

本番

結婚式はつつがなく進行しました。両家や友人たちにはピアノを弾くことは伝えていませんでした。

式場にピアノがあることに違和感はなかったようで、そこにピアノはあるけど、いつ誰が弾くのかは疑問にも思わなかったようです。

式次第に沿ってピアノを弾く時間が近づいてきました。

ストリートピアノではあんなにも緊張して、震えまくって自分の手指じゃないみたいだったのに、今は意外にも冷静でした。

そこに来てくれている人たちに感謝の気持ちを持って弾きはじめました。

みんなが自分のピアノだけを聴いている妙な時間でしたが、不思議と妻との思い出が蘇ってきて、これから違うステージに立つんだなと、実感しました。

演奏が終わると、義父が大泣きしているのがチラリと目に入り、やっぱり弾いてよかったとしみじみ思うことができました。

終わりに

人前に立つことがすごく苦手でしたが、一大決心をして結婚式でピアノを弾くことにしました。

決心してから、怒涛のように日が過ぎていきました。

結婚式の準備と並行しての練習と、メンタルを鍛えることを進めました。今はやり切った気持ちでいっぱいです。こんな経験ができるのも、ピアノならではですね。

また、次のチャレンジをしてみたいですね。

みなさまも、良いピアノライフを!

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