大人のピアノ発表会デビュー記:不安と挑戦の舞台裏

こんにちは、ぴあーのパパです。

ピアノを再開して2年半くらいが経ったころの話です。

地道に練習を続け、ブルクミュラーの「貴婦人の乗馬」からスタートして少しずつレベルアップしてきました。

そんな中、先生から「コロナで延期になっていた教室の発表会を開催するけど、どうする?」と声をかけられました。

ピアノの先生

コロナで延期になっていた教室の発表会をするけど、どうする?

ぴあーのパパ

人前に出るのは苦手なんだよなー。。

子どもたちは強制参加、大人は自由参加とのことでしたが、もともと人前に出るのが得意ではない私にとっては大きな挑戦です。

発表会に参加するまでの葛藤と準備、そして本番の舞台裏についてお話しします。

こんな人に読んでもらいたい
  • ピアノ演奏に人前で挑戦することが苦手な人
  • ピアノ教室に通っている大人の生徒さん
  • 過去の発表会で苦い経験をした人
目次

曲選びの葛藤

発表会に出ると決めたからには、早めに選曲して練習を始めなければなりません。でも、どんな曲を選ぶべきか分からず、迷うばかりでした。

先生から提案された候補の中で特に心を惹かれたのが、ベートーベンの「ピアノソナタ8番 悲愴 第3楽章」と「テンペスト 第3楽章」です。

「テンペスト」は再開したときから憧れていた曲。疾走感と緊張感がたまらない一曲ですが、長さと難易度を考慮して断念。最終的には「悲愴」を選びました。

この曲名の意味を調べたとき、「悲しみに勇敢に立ち向かう」というイメージに心を打たれ、挑戦する決意が固まりました。

練習の試行錯誤と時間管理

発表会までの練習期間は約3ヶ月。限られた時間の中で効率的に準備を進める必要がありました。そこで、練習中のツェルニー40やドビュッシーを一時休止し、「悲愴」に集中することに。

最初は譜読み段階からスタートしましたが、1ヶ月経ってもなかなか形にならず焦りばかりが募る日々。それでも逆算してスケジュールを組み、地道に練習を続けました。

途中で家族旅行があり数日間ピアノに触れられませんでしたが、そのリフレッシュがかえって良い影響を与えた気がします。

暗譜の壁

発表会に向けて練習を進める中で、暗譜が最大の壁となりました。なぜピアノ演奏だけが暗譜が当たり前なのか。他の楽器では楽譜を見ながら演奏するのが普通なのに、ピアノでは違うのです。

最初は「絶対に暗譜は無理!」と思い込んでいました。そのため、楽譜を見ながらの演奏を前提に準備を進めることにしました。

しかし、楽譜を見るといっても7ページ分もあるので、譜めくりの問題に直面しました。先生から「慣れれば大丈夫」と励まされ、譜めくりのタイミングを含めた練習を何度も繰り返しました。

人前での練習で度胸試し

本番直前には、ストリートピアノでの練習を取り入れました。自身の結婚式でピアノをひくことになったときに実践した心の準備方法です。初めて、ストリートピアノに触った時は、緊張から心臓バクバクで、手も震えて大変でした。

今回は、一度人前で弾いた経験が奏功したのか、以前ほどの緊張はなくなっていました。

人前演奏に選んだのは、大丸の地下出口にあるグランドピアノと、そして、やはり最終決戦は三井住友裏のスタインウェイのグランドピアノ。流石に人通りが多い時間にやる勇気はないので、今回も終了時間ギリギリに滑り込んで、なんとか一回通して弾いてみました。

昔よりは、ちゃんと自分の音を聞きながら演奏できるようにはなったように思います。人目に晒される環境で弾いたぞ、という小さいけれども手に感触の残る確かな自信を手に入れました。

発表会当日

発表会の当日、先生からは「リハーサルの直前に来れば大丈夫だよ」と言われていました。小さい子たちのリハーサルが多いので、大人はゆっくり来ても問題ない、とのこと。

ですが、小心者の私は少しでも会場の雰囲気を感じておきたいのと、遅刻の不安から予定より早めに到着しました。

しかし、着いてみると、やることもなく暇を持て余します。他の方のリハーサルを聞いているふりをしながら、冷静さと緊張の間を行ったり来たり。

ホール裏を探検してみましたが、特に見るべきものもありません。そんな中、そわそわしながらリハーサルの順番を待つこと1時間。ようやく出番がやってきました。

リハーサルでの緊張感

楽譜を胸に抱えて、ライトを浴びるピアノに向かって歩きます。スポットライトの明るさに目が慣れず、観客席は黒い影のようにしか見えません。でも、その向こうに人がいると思うと、一挙手一投足が見られている気がして、観客に顔を向けることすらできません。

最初の作業は椅子の高さ調整。昔懐かしいタイプの椅子の背後に周り、ちょうど良い高さを見つけました。本番用に「ストッパーの位置は下から4つ目」としっかり記憶。座って楽譜を広げ、覚悟を決めます。

緊張を抑えるために、ピアニストがよくやるようにピアノの斜め上を見つめ、心を落ち着けてみます。しかし、体は正直なもので、指が震えているのが分かりました。

「この状態で繊細な演奏なんて無理だな」と半ば諦めながらも、1音目を鳴らします。ホール全体に響き渡る音の大きさに驚き、さらに緊張が高まりました。何とか感触を掴もうと、早いパッセージの部分まで練習したいと思いましたが、リハーサル時間はたったの1分。

あっという間に終わり、消化不良のままステージを降りました。

先生との会話で心を整える

リハーサル後、先生と話す機会がありました。

先生にとってリハーサルは日常の一部なのか、私の緊張を特に気にする様子もありませんでした。

しかし、先生と話すだけで不思議と心が少し軽くなり、信頼できる人からの言葉が持つ力を実感しました。

本番での挑戦と学び

そして迎えた本番。スポットライトに照らされる中、客席に音が届くことを願いながら演奏を始めました。

途中でつまずいたり、思うように弾けない部分もありましたが、何とか最後まで演奏をやり切ることができました。演奏後の安堵感は今でも忘れられません。

先生からは「大人の生徒が発表会で演奏するだけでも、聴衆には大きな勇気を与えるよ」と言葉をいただきました。その一言で、少し胸を張れるような気がしました。

ピアノの先生

大人の生徒が発表会で演奏するだけでも、聴衆に大きな勇気を与えるよ

今回の発表会を通じて、多くの学びと小さな自信を手にすることができました。人前で演奏する経験を通じて、失敗や不安も含めて成長の糧にできることを実感しました。この経験は、再開組の私にとって大きな一歩です。

これからもピアノを続け、さらに成長していきたいと思います。皆さんも、ぜひ一歩踏み出してみませんか?

新たな挑戦が待っています!

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